みーるのひとりごと

ただのひとりごとです。

「キャリア教育」は「何を教育する」のか

 先日、タイトルのことについて話す機会がありました。

 

 目的としては、高校でのキャリア教育の授業をどうするか決めるためだったのですが、数十分で考えるのをやめていい議題じゃないなと感じました。

 キャリア教育ってなにを教育するんでしょうか?

 一般的には、どんな進路があるのかという情報提供をしたり、あとはもっと専門的に、なにかしらの職につくための技能を教えたり、そういったことがキャリア教育と呼ばれているのかなあと思います。
 キャリア教育っていう言葉は広いですよね。職業教育も進路指導もぜーんぶひっくるめて「キャリア教育」。そりゃ、なにを教えるべきなのかわからなくても当然です。だけどそれを、「高校生が進路を選択するための教育」という範囲に絞って考えました。そこまで絞ってもなおやるべきことはたくさんあります。わたしはこれを、大きく2つにわけることができるんじゃないかと考えました。


 1つ目は、情報提供です。そもそもどんな進路があるのかを知らないと、選択もなにもありません。この情報提供は、必ずしも今ある職業や学校を教えればいいわけではないと思います。今はない職業につくこともあると思うし、むしろ新しいものを作り出す側の人間になってもいいはずですから。そう考えるとこの情報提供は、現在多くの高校で行われているものよりぐっと幅を広げることができる可能性があります。個人的に面白いだろうなーと感じるのは、もはや職業名がわからない新しいことをしている人の話を高校生にきかせることです。こういう生き方もあるんだということを知らせると同時に、中にはロールモデルを見つけられる子もでてくるんじゃないかなと考えています。
 2つ目は、進路について考える力をつけさせることです。こっちの方が情報提供より断然難しいだろうなと感じています。集中力のない子に難しいことを考えさせるのは無理があるし、考えることから逃げてしまう子も、考え方がわからなくて戸惑う子も、たくさんいると思います。高校生の時点で本当に一生をかけてやろうと思えることなんてわかっている人の方が少ないのですから。だったらどうすればいいかというと、これもまた、いろんな人の話をきけばいいと思うんです。ただし、どんな経歴でどんなことをしてきたという自慢話にならないように、選択をした時の考え方やきっかけを話すようにしてもらう必要があると思います。

 

 ということで結論。
 キャリア教育はわけわからんワークしたりわけわからん本を読ませるんじゃなくて、いろんな人の話をきかせよう、ってことでした。ただし話す人も高校生の参考になることを話すように、事前に趣旨をきちんと理解してもらっておく必要がありますね。そうじゃないと、よくある高校生がみんな寝てる講演会みたいになってしまうので。

 教育なんて確実はありえないし、響く人には響かせようぐらいな気持ちでいいんじゃないかなと思いました。

 

おしまい。